税理士 佐藤英明 事務所

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2026.05.28

源泉所得税は「納期の特例」を使いましょう

給与支払いを始めたら押さえておきたい申請のポイントと注意点

従業員を雇ったり、家族へ給与を支払い始めたりした方から、
「毎月の源泉徴収と納付の手続きが大変」
「少人数の事務所なのに、毎月税務署に行く時間がない」
といったご相談をよくいただきます。

源泉所得税は原則として毎月納付する必要がありますが、
小規模な事業者向けにその負担を大幅に軽減できる制度があります。
今回は、「源泉所得税の納期の特例の承認申請書」について、
制度の基本から実務で注意したいポイントまで整理します。


納期の特例とは

納期の特例とは、給与から差し引いた源泉所得税の納付回数を、
毎月(年12回)から「年2回」にまとめることができる制度です。

主なメリットとしては、
・納付の手間と事務負担が大幅に削減できる
・うっかり毎月の納期限を過ぎてしまうリスクを防げる
などがあります。

特に、事務作業に多くの時間を割けない少人数の事業主にとって、
業務の効率化に直結する非常に利便性の高い制度です。


納期の特例の承認申請書とは

この特例を受けるためには、
事前に「源泉所得税の納期の特例の承認申請書」を税務署へ提出する必要があります。

この申請を行って初めて、年2回のまとめ納付が認められます。
つまり、
申請を出していなければ、自動的に毎月納付になる
という点に注意が必要です。


対象となる要件と適用時期

この特例を利用するためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 給与の支給人員が常時9人以下であること

家族従業員(専従者)やパート・アルバイトも含めてカウントします。
繁忙期に一時的に10人以上になっても、常態として9人以下であれば問題ありません。

また、提出期限は特に定められていませんが、
「提出した月の翌々月の支給分」から特例が適用される
というルールがあります(申請の翌月に税務署から却下通知がなければ承認されたとみなされます)。
そのため、適用を受けたい時期から逆算して早めに提出することが重要です。


よくある誤解

「提出すれば当月から毎月納付しなくていい」はNG
前述の通り、申請書を提出してもすぐその月から年2回になるわけではありません。
承認される(翌月中に却下がない)までは、従来通り毎月の納付が必要ですのでご注意ください。

「住民税も年2回になる」わけではない
この申請書は、あくまで「国税(所得税)」に関する特例です。
住民税(地方税)の特別徴収についても同様に年2回にまとめる制度(納期の特例)がありますが、
こちらは各市区町村に対して別途申請が必要になります。


実務での納期限のスケジュール

特例が適用されると、納期限は以下の通り「1月」と「7月」の年2回になります。

  • 1月〜6月支給分:7月10日までに納付
  • 7月〜12月支給分:翌年1月20日までに納付

半期分の源泉税をまとめて手元に残しておくことになるため、
納税資金を口座にしっかり確保しておく資金管理の意識も大切です。


まとめ

源泉所得税の納期の特例は、小規模事業主にとって
事務負担を減らすための必須級の制度ですが、
・事前申請が必要
・適用までにタイムラグがある
・住民税は別途手続きが必要
といった特徴があります。

給与計算や源泉税の管理、各種申請手続きに不安がある方は、
当事務所でもサポートを行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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